みなさん、こんにちは☺️
今日も手のケガや症状について説明、予防していくこと伝えていきたいと思います。
11月に入って、寒くなってきました。昔、手のケガをした人や現在症状に困っている方は冷えてくると痛みが強くなったり、痺れが強くなったりしてくる時期が来たので、しっかり温めることを優先して生活していきましょう。
さて、今日僕が紹介するケガは「ボクサー骨折」です。
なぜかわからないんですが、最近やたらと増えています。僕が働いている場所でよく見かけ、たくさんの方のリハビリをしている最中です。何故なんでしょうね?
さてボクサー骨折に関して説明していきますね。
手を壁やものにぶつけたあと、小指の付け根が腫れて痛みをみとめることがあります。この際に、「打撲かな?」と放っておく人が多いですが、それがボクサー骨折の可能性があります。
名前の通り、ボクシング選手に多いことから名付けられましたが、実際には素手で壁を殴ったり、転倒して手をぶつけた際に起こる、非常に身近なケガの一つです。
◉ボクサー骨折とは?
正式名称は「第5中手骨頚部骨折」といいます。

中手骨とは手の甲の中にある骨で、そのうち小指側(第5中手骨)の付け根付近が折れるのが一般的です。
拳を握った状態で物に強く当たると、その衝撃が中手骨の先端部分に集中し、骨が掌側(手の平側)に折れ曲がります。これがボクサー骨折です。
◉豆知識🫛
少しだけマニアックな話をすると、本物のボクサーはボクシングのフォームが正確なため、人差し指・中指の中手骨でパンチを当てます。そのため、プロのボクサーが骨折する場合は人差し指・中指の中手骨が多く、小指や薬指側が折れるのは「パンチフォームが崩れている証拠」と言われるそうですよ。
つまり、「ボクサー骨折」という名前ですが、実際にはパンチが上手でない若い人がケンカでおることが多いため、「ケンカ骨折」などと言われることがあります。
◉症状と診断
ボクサー骨折では、次のような症状が現れます。
・小指の付け根(手の甲)が腫れる。
・握ると痛い、またはグーが作れない。
・小指が内側にまがる(拳を握ると凹む)。
・触ると痛みや骨の段差を感じる。
X線(レントゲン)で、中手骨の先が掌側に折れ曲がっている像が確認できれば診断されます。
◉治療法
骨折の角度や変形の程度によって、治療方針は変わります。
保存療法(手術をしない場合)
軽度の変形であれば、指の付け根(MP関節)を約70°程度曲げた状態でギプス固定を行います。これにより、握る時の骨の角度が保たれやすくなります。固定期間はおおよそ3〜4週間程度行います。
手術療法
骨の変形が強い場合や、職業的に手を多く使う人では、ピン固定やプレート固定を行うこともあります。よほど、骨折がひどくない限りはピンで固定することが多く、その場合は4〜6週程度で抜釘することが多いです。術後にギプスなどで固定をする場合もありますが、基本的には長くても2週間程度で外れる場合が多いです。

◉リハビリのポイント
固定が外れると、手のこわばり感や腫れ、握り込みの制限が出てきます。リハビリでは次のような点が重要です。
①可動域訓練
・指の曲げ伸ばし運動(第1関節・第2関節は反対の手でしっかり曲げ伸ばしを行う)
・付け根(MP関節)は曲げる運動をしっかりと行う。骨がまだくっついていない時は無理やり行わず、自分の力で曲げる運動をする。骨がくっついたら反対の手で曲げていく運動を行う。
・折れた指だけで行わず、隣接指と一緒に動かす。折れた指だけで行うと、捻る運動が行われ、捻れたりすることもあるため、小指が折れたなら薬指と一緒に曲げ伸ばしの運動を行うことが大切です。
②腫脹・疼痛管理
・手を心臓より高くすること、可能なら保冷剤や冷水で冷やすこと。手は受傷後や術後などは腫れやすいため、手を下げた状態でいるとグローブみたいに腫れてしまいます。腫れてしまうと皮膚が伸びて曲がりにくくなる原因になってしまいます。できるだけ上げておくことや、抜糸前では保冷剤、抜糸後であれば冷水で冷やして腫れないようにしておきましょう。
・手を上げた状態で手指の運動。指の運動を行うことで、手の循環がよくなり、腫れが引きやすくなります。特に手を上げた状態で行うことで手の血液が心臓に戻りやすくなるため、より効果的です。
③日常生活での使用
・物を持つ、書く、ボタンを留めるなど細かい動作の再学習。固定期間などで使うことがなくなってしまうと、使い方を忘れたりすることがあります。軽い動作からで良いので行なってみましょう。手術後で骨折してからまもない場合でもしっかり強い固定が入っているため、軽い動作はしても問題ありません。
・握力訓練や重い物の把持は骨がくっついてから。固定がはずれたり、手術をしたからといってすぐに無理はしてはいけません。無理をすると腫れがひどくなったり、最悪の場合、骨がずれたりする場合もあるため、穏やかな生活をすることが大切です。
◉リハビリで重要なところ
僕がリハビリで1番伝えたいところは、
『付け根(MP関節)をしっかり曲げること』
これにつきます。人間の手の構造上、付け根は伸びたまま固まりやすくなっています。第2関節は曲がったまま固まりやすくなります。この骨折をした方で付け根が曲がらなくなり、第2関節が曲がったままになる方をよく見かけます、
これは靭帯や指を伸ばす筋(伸筋腱)が癒着してしまったり、パンパンに腫れてしまい、そのまま固まってしまうことが原因です。
特に小指の場合、握り込むときに付け根がしっかり曲がることで強い握力を出すことができます。この付け根が曲がることができなくなってしまうと、握力低下や物を掴む動作がしにくくなってしまい、日常生活での使いにくさが大きくなってしまいます。
一度、指が固まってしまうと治すことはかなり大変です。固まらないように予防していく、これが本当に大切なことです。
適切に対処していけば、しっかり治すことができる骨折です。しっかり日々のリハビリや困ったことや気になることは作業療法士の先生や主治医の先生に聞いて、使いやすい手を取り戻しましょう。
◉まとめ
ボクサー骨折は、名前の印象とは裏腹に、実際には壁を殴ったり、転倒した時など、誰にでも起こりうる身近な骨折です。
小指側の中手骨が折れると、握りにくさや掴みにくさが残ったり、握力の低下を認めることがあります。しかし、しっかりとした治療とリハビリを行えば、再び自然な動きに戻すことが可能です。
また、拳の握り方を意識することで、再発防止や正しい力の伝え方の理解にも繋がります。”ボクサー骨折”をきっかけに、自分の手の使い方を少し見直すのもいいかもしれませんね。


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