みなさん、こんにちは
今日は日常生活や仕事でよく手をつかう方に多い、ばね指についてお話しします。
家事やスマホ操作、手仕事などで「指がカクッと引っかかる」「痛くて動かしにくい」と感じたことはありませんか？
その原因と仕組みを、わかりやすく解説していきます。
まずは手指の解剖について
手指には曲げるたり、伸ばしたりできるように腱というものがあり、腱が動くことで関節が曲がったり伸ばしたりすることができます。そこで腱が滑らかにうごくようにする組織があります。それが「腱鞘」とよばれ、トンネルの形状をしており、その中を屈筋腱と呼ばれる指を曲げる腱が通ります。
同じ動作を繰り返し（家事、スマホ操作、仕事）することで腱と腱鞘がこすれて炎症が起きます。
炎症が起こると、腱や腱鞘が腫れて厚くなり、腱がスムーズに動かなくなってしまします。
その結果、腱が腱鞘の出入り口で引っかかる（滑走障害）状態になります。
引っかかった腱に力を入れると、ある瞬間に”パチン！”と弾かれるように指が動きます。これがばね指を呼ばれる由来です。
好発部位としては特に母指・中指がなりやすく、ときおり薬指がなる方もおられます。
更年期になると、女性ホルモン（エストロゲン）の減少によって腱や腱鞘に炎症が起こりやすくなり、指の動きが固くなってしまうことがあります。
また、家事・育児・仕事などで手や指をよくつかう方は、腱が何度もこすれて炎症を起こし、ばね指になりやすくなります。
さらに、糖尿病やリウマチなどの持病がある方も、腱の滑りが悪くなりやすく、炎症のリスクが高くなります。
では、対処法について説明していきます。
まず大切なことは、手を休ませることです。
・長時間の家事やスマホ操作を減らしていく
・手指を曲げる作業を控える
・握る・つまむなどの反復動作を減らす
使いすぎで炎症を起こしているので、炎症が落ち着くまでは過度なストレッチやマッサージはNGです。
炎症が落ち着いてきて、痛みが減ってきたら、ぬるま湯などで温めて血流を促し、腱の滑走を改善します。
手指が固まらないように、適度にストレッチを行なっていくことが重要です。
それでも改善せず、何度もばね指が起こるのであれば、手外科の医師を受診することが良いです。
炎症を抑える薬を注射してもらうことで、改善を図ることができます。
しかし、生活から変えていかないと、何度も治っては起こりと繰り返すことが多いので、注意が必要です。注射も何度も打てるわけではないので、手術（腱鞘を開く腱鞘切開）を提案される方もおられます。
ばね指で整形外科や手外科を受診される方は多々見られます。ストレッチや生活の見直しで改善できるなら病院やクリニックを受診する機会も減らすことができます。
少しでも、ばね指を知るきっかけになれば幸いと感じています。
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