TFCC損傷|手首の小指側が痛い原因と治療・リハビリまで徹底解説

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みなさん、こんにちは😃

今回は、手首の小指側がズキっと痛む時に関わりやすいTFCC(三角線維軟骨複合体)損傷について、できるだけわかりやすくまとめました。

「掌をつくと痛い、、、」「タオルを絞るとズキっとくる」

そんな症状で悩んでいる方、また医療・リハビリ職の方にも役立つ内容になっています。

◉TFCCとは?手首の”小指側のクッション兼安定装置”

TFCCとは、手首の尺側(小指側)に位置する複数の組織の総称です。構成は以下のような複合体になっています。

・三角線維軟骨(TCF)

・橈骨尺骨靭帯(DRUL)

・尺側側副靭帯

・尺側手根伸筋(ECU)腱鞘

これらが一つのユニットとして働き、次のような役割を果たしています。

①遠位橈尺関節(DRUJ)の安定性の保持

前腕を回す「回内・回外」はDRUJで生じます。TFCCがこの関節の安定性を保ち、骨同士がズレないように支えます。

②荷重の分散(クッション機能)

掌をついたときなど、手首には大きな力がかかります。その力を三角骨や月状骨から尺骨へ、うまく分散して衝撃を吸収する働きがあります。

③動的な安定性の補助

特に尺側手根伸筋(ECU)腱は動きながらTFCCを補助する「動的安定化筋」として重要です。

◉TFCCはなぜ起こる?

TFCC損傷には大きく4つパターンがあります。

①転倒やスポーツ時の外傷

掌をつくと、尺側に大きな剪断力がかかり損傷します。

②橈骨遠位端骨折の合併症

手をついて折れる橈骨遠位端骨折になった際に、衝撃でTFCCも一緒に損傷するケースは非常に多いです。論文では約6割の方が橈骨遠位端骨折と一緒にTFCCが破綻していると言われています。骨が治っても「尺側の痛みだけが残る」という場合は、TFCC損傷の関与を疑います。

③加齢に伴う変性

血流の乏しい中央部は50歳代以降で変性・断裂が増えます。

④Ulnar variance(+)による突き上げ症候群

尺骨が相対的に長くなる「Ulnar plus variance」ではTFCCにかかる荷重が増え、”尺骨突き上げ症候群”へつながります。

◉TFCC損傷の症状

TFCC損傷で典型的にみられる症状は以下の通りです。

・手首の小指側の深部痛

・掌をつくと痛い

・タオル絞りで痛む(特に回内)

・重いものを持ち上げると痛む

・回内外で引っかかり・クリック感

・安静でもズキズキすることがある

特に、回内+尺屈の姿勢で痛みが出やすいのが特徴です。

◉TFCC損傷の評価(病院やリハビリでのテスト)

Ulnar fovea sign:尺骨茎状突起のすぐ遠位、くぼみを押すと疼痛を認める。

ストレステスト

 TFCC stress test:(回内+尺屈)

 ピアノキー徴候(DRUJ不安定)

 Fovea sign

画像検査

 MRI:TFCC断裂の有無を確認

 X線:Ulnar varianceの確認、DRUJの状態確認

◉治療|まずは保存療法(リハビリ)から

まずTFCC損傷の多くは、手術せずに保存療法が選択されます。

①サポーター・スプリントによる安静

・リストバンドなどで尺側の安定化バンド

・作業療法士が作製するスプリント(装具)

 →DRUJの安定性が高まり、痛みが軽減しやすい

②日常生活動作の調整

・回内+尺屈での荷重を避ける

・タオル絞りは回外で行う

・プッシュアップ・掌をつく動作の制限

③炎症期はアイシング+軽いROM

痛みが強い時期は無理に動かさず、軽い掌屈・背屈を中心に実施・

④安定化トレーニング

・ECUの等尺性収縮訓練

・前腕回旋コントロール

・手関節の持久力トレーニング

⑤物理療法

超音波、軽いストレッチ(過度なストレッチは逆効果なので無理はしない)

保存療法で改善しない時の手術

一定期間保存療法を続けても改善しない場合、またはDRUJの不安定性が強い場合は手術が検討されます。当院でよく施行されいる手術は以下の2つです。

①Darrach法(ダラー法)

尺骨頭を切除する手技。DRUJの痛みや不安定性を軽減する目的で行われます。

・比較的短時間で手術可能

・高齢者、負荷の少ない生活の方に向いている

・術後、尺側断端が不安定になる可能性がある

②Sauve Kapandji法(ソーべ・カパンジー法)

DRUJを固定し、尺骨の近位側に偽関節を作る手術です。回内外を保ちながら尺側痛を改善できる点が特徴です。

・若年者、前腕の回旋を多用する人に適応

・Ulnar plus varianceで突き上げが強い症例にも適応

◉まとめ

TFCCは手首の安定性と荷重吸収に大きく関わる重要な組織です。

転倒・橈骨遠位端骨折の合併症・加齢変性・Ulnar varianceなど様々な要因で損傷しますが、多くは保存療法で改善が可能です。

しかし、疼痛が強く日常生活に支障がある場合には手外科・整形外科の専門医の受診が必要です。症状に合わせてスプリント・装具や生活動作の調整、手関節の安定化トレーニングを行うことで、多くの患者様が改善の実感することができます。

はやめはやめに動くことが重要です。

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